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公務員の給与と大企業の年功給与は同じ構造だった|級と号給の話

公務員の給与と大企業の年功給与が同じ級と号給の構造であるイメージ 静かな在籍

私は自分の会社の賃金制度を、規程から昇給実績まで徹底的に調べたことがあります。そのとき、あることに気づきました。伝統的な大企業の年功型賃金は、公務員の給与制度とほぼ同じ構造なのです。

これは悪口ではありません。構造を知れば、その中でどう働くのが合理的かが見えてくる。この記事は、その「地図」の話です。

この記事でわかること

  • 公務員の給与が決まる仕組み(級と号給)
  • 大企業の年功賃金との対応関係
  • 両者に共通する3つの特徴
  • この構造の中で働く人の合理的な戦略

公務員の給与は「級」と「号給」で決まる

まず、公務員の給与の基本構造から。一般的な行政職の場合、基本給は「給料表」という一枚の表で決まります。

要素意味
職務の重さ。つまり係員・係長・課長などの段階
号給経験の積み上げ。毎年の勤務で少しずつ上がる

タテ(級)が役職、ヨコ(号給)が経験年数。この2つの座標で、基本給の金額が一意に決まります。さらに、評価が良ければ号給の上がり幅が少し増え、賞与の一部(勤勉手当)にも多少反映されます。ただし、その差は限定的です。

要するに、公務員の給与は「何をしたか」より「どの級に何年いるか」で決まる設計なのです。

大企業の年功賃金と並べてみる

次に、伝統的な大企業の賃金体系を横に並べます。会社によって名称は違いますが、構造はだいたいこうです。

公務員伝統的大企業
級(職務の段階)つまり資格等級・役割等級
号給(経験の積み上げ)また年齢給・勤続給の部分
勤勉手当(評価反映)そして賞与の成果反映部分
地域手当さらに勤務地手当
昇任(級が上がる)最後に昇格(等級が上がる)

名前が違うだけで、中身はほぼ同じです。どちらも「固定テーブル×等級×年功」で処遇が決まり、個人の成果や市場価値が価格に直結する設計にはなっていません。

共通する3つの特徴

特徴1: 何年いるかが、何をしたかより強い

どちらの制度でも、給与を最も強く決めるのは勤続年数と等級です。つまり、途中から入った人(転職者・中途採用者)は、同じ年齢の生え抜きに賃金カーブ上で追いつきにくい構造になっています。

特徴2: 評価で「逆転」は起きない

評価制度は両方にあります。しかし、最高評価と標準評価の昇給差は、序列がひっくり返るほど大きくありません。頑張りは無意味ではないが、挽回の武器にはならない。この「差がつかない設計」は、組織の安定のためには合理的でもあります。

特徴3: できる人に仕事が寄り、報酬は寄らない

処遇差が小さい組織では、仕事の割り振りだけが実力に比例します。その結果、できる人に業務が集中し、給与は横並びのまま。役所でも大企業でも、まったく同じ現象が観察されます。

この構造の中で働く、合理的な戦略

構造を知ると、腹が立つかもしれません。私も最初はそうでした。しかし、地図を手に入れたと考えれば、打ち手は明確になります。

  • まず、評価競争に全力投資しない(リターンの上限が構造で決まっているため)
  • そのかわり、担当業務は確実にこなして失点を防ぐ(減点だけは効く制度だから)
  • さらに、守った時間と精神力を、社外の資産づくり(副業・積立・健康)に回す
  • そして、制度への怒りは、構造の理解と自分の行動変更に変換する

つまり、私が実践している「静かな在籍」は、この給与構造への合理的な適応なのです。制度が変わるのを待つより、自分の時間配分を変える方が確実で速い。

自分の組織で「答え合わせ」する方法

この話、自分の組織で確認できます。公務員の給与制度と実態は、総務省の給与・定員の制度概要で公開されており、各自治体も「給与・定員管理等の状況」を毎年公表しています。お住まいの自治体名で検索すれば、給料表から平均給与まで誰でも見られます。

一方、会社員の場合は、自社の賃金規程・労働組合の資料・春闘の妥結情報が手がかりです。等級と勤続で給与がどう決まるかを一度読み解いておくと、自分がどのレーンにいるのかが見えてきます。

よくある質問

Q1. 公務員と大企業、結局どちらが得ですか?

一概には言えません。ただ、公務員の給与は条例で決まるため透明性が高く、大企業は社内規程なので外から見えにくい、という違いはあります。構造が同じなら、透明な方が納得はしやすいかもしれません。

Q2. 成果主義の会社なら、この話は関係ないのでは?

ジョブ型・成果主義に移行した会社では、事情が違います。ただし、総合職だけジョブ型で現場職は年功のまま、という二重構造の会社も多い。自分の職群がどちらの制度で動いているかの確認が先です。

Q3. この構造は今後変わりますか?

変わるとしたら、人が採れない・辞めていくという危機が組織を直撃したときだと考えています。逆に言えば、収益や制度が安定しているうちは変わりにくい。だから、変化を待つより自衛が先、が私の結論です。

まとめ: 構造を知ることは、絶望ではなく地図

公務員の給与も、伝統的大企業の年功賃金も、「級×号給×勤続」の固定テーブルという同じ骨格でできています。その中では、評価で逆転は起きず、勤続が支配的で、できる人に仕事だけが寄る。

これを知って絶望する必要はありません。ルールが分かれば、賭け方を変えられます。評価ゲームへの過剰投資をやめ、時間を守り、外に資産を作る。構造の理解こそ、静かな在籍の出発点です。

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