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出世を諦めたら、人生の採算が合った|評価1段の値段は年数千円

出世を諦めてレースを降り、市場への積立に配分を変えた図解 静かな在籍

私は45歳で、出世を諦めました。正確に言うと、諦めたのではなくレースを降りました。やる気を失ったからではありません。電卓を叩いたからです。

この記事では、出世の「値段」を計算した結果と、降りて何が変わったかを書きます。先に言っておくと、降りた後の人生の採算は、レースの中にいた頃より明確に良くなりました。

この記事でわかること

  • 評価1段の「値段」と、その時給換算
  • 「諦める」と「降りる」の違い
  • 降りてやめた5つのこと、それでも守る4つのこと
  • 浮いた資源の行き先と、採算計算の最終結果

出世の「値段」を計算してみた

まず、私の会社で評価が1段上がると、昇給はいくら増えるか。答えは年数千円です。月に直すと数百円。缶コーヒー数本分です。

一方、評価を1段上げるために何を投じるか。上司より遅く帰る残業、休日の持ち帰り、飲み会への出席、評価されない仕事の巻き取り。仮に年200時間を追加で投じたとすると、時給換算で数十円です。ちなみに、日本の残業時間の平均は月10時間前後(厚生労働省・毎月勤労統計調査)ですが、評価を狙う人の投入量はこんなものでは済みません。

「いや、評価の先に昇格があるだろう」。その通りです。ただし、私は中途入社です。前回の記事で書いた通り、最高評価を取り続けても標準レーンに追いつくのは定年の直前という試算でした。つまり、私が走っていたのは、ゴールテープが定年後にあるレースだったのです。

「諦めた」のではなく、「降りた」

諦めるという言葉には、敗北の匂いがあります。しかし、私がやったことは違います。勝てないレースから、勝てる市場へ資源を移した。ただの再配分です。

投資で言えば、手数料が高くリターンの低い商品を解約して、低コストのインデックスに乗り換えたようなものです。感情で決めたのではなく、期待値で決めました。だから後悔もありません。

降りてやめた5つのこと

  1. 評価を狙うための残業(定時で帰ります)
  2. 気遣いとしての飲み会・社内行事への参加
  3. 評価されない仕事の巻き取り(便利屋にならない技術
  4. 昇格の噂話への参加と、人事情報の詮索
  5. 評価面談の結果への一喜一憂

ただし、誤解しないでください。降りることとサボることは違います。私が今も守っているのは、担当業務の完遂、安全、品質、納期の4つです。ここを崩すと信頼を失い、静かな在籍そのものが成立しなくなります。要するに、「失点を作らず、加点も狙わない」。これが降りた人間の規律です。

浮いた資源は、どこへ行ったか

レースを降りると、時間と心とお金が浮きます。行き先はこうなりました。

浮いた資源行き先
残業していた時間週2回の筋トレ、家族との夕食、このブログ
飲み会代・付き合いの出費NISAのオルカン積立へ
評価に使っていた心毎月19日の棚卸しの数字を見る心へ

ポイントは、副業と投資は等級も採用経路も見ないことです。社内のレーンには入口で差をつけられましたが、市場は誰にでも同じ利回りをくれます。こんなに公平な場所は他にありません。

採算計算の最終結果

決定的だったのは、ライフプランシートを作ったときです。昇給ゼロ・出世なしの悲観シナリオで計算しても、64歳で約1.2億円と完済済みの自宅が残る。つまり、出世を織り込まなくても人生設計が成立したのです。

その瞬間、レースに戻る理由が消えました。出世で得られる数十万円の年収増より、定時後の3時間×20年の方が、私には高く売れます。筋肉になり、ブログになり、複利になるからです。

よくある質問

Q1. 「やる気のない人」と思われませんか?

最初は多少思われたかもしれません。ただし、担当の仕事を確実に終わらせ続けていれば、2〜3か月で「定時で帰るがちゃんとやる人」というポジションが定着します。むしろ、失点がないぶん扱いやすい人材のはずです。

Q2. 昇進の打診が来たらどうしますか?

そのときに、また電卓を叩きます。責任と拘束時間の増加に対して、報酬と裁量がどれだけ増えるか。採算が合えば受けますし、合わなければ丁重にお断りします。決めるのは感情ではなく計算です。

Q3. 若い人にも「出世を諦めろ」と言いますか?

言いません。標準レーンに乗っている人、出世自体が好きな人、裁量が欲しい人にとって、レースには十分な価値があります。この記事は「構造的に勝てないレースにいると気づいた人」向けです。まず自分のレーンを確認してから、電卓を叩いてください。

まとめ: 諦めるとは、明らかに見ること

「諦める」の語源は「明らめる」——物事を明らかに見る、だそうです。私がやったのはまさにそれで、出世の値段と自分のレーンを明らかに見て、配分を変えただけでした。

レースを降りた人間の毎日は、驚くほど静かで、忙しい。定時に帰り、筋トレをして、家族と食べ、ブログを書き、23時に寝る。会社では省エネ、人生では本気。これが、採算の合う生き方だと私は思っています。

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