「生活水準を上げるな」とは、よく言われます。しかし、私はもう一歩先を行っています。2008年のリーマンショックから18年間、生活水準を下げるという行為を意図的に続けているのです。
つらくないのか、と聞かれます。答えは逆です。下げるほど、自由が増えました。この記事では、みじめにならずに生活水準を下げる技術と、その先にあるものを書きます。
この記事でわかること
- 「上げない」と「下げる」の決定的な違い
- 生活水準を下げるほど自由になる理由
- 18年で実際に下げたもの・下げなかったもの
- みじめにならないための3つのコツ
「上げない」ではなく「下げる」
多くの家計術は「収入が増えても生活水準を上げるな」と教えます。正しいと思います。ただし、それは現状維持の話です。
一方、生活水準を下げるのは攻めの行為です。なぜなら、下げた分だけ毎月の余剰が生まれ、それが積立の原資になるからです。収入を増やすのは会社や市場次第ですが、支出を下げる決定権は100%自分にあります。つまり、家計の中で唯一、自分の意思だけで確実に動かせるレバーなのです。
生活水準を下げるほど自由になる理由
理由は単純で、「生きるのに必要な月額」が下がるからです。
たとえば、月30万円ないと維持できない生活と、月18万円で回る生活。後者の人は、同じ収入なら差額を積み立てられるだけではありません。仕事を失ったときの耐久力、会社に「NO」と言える余裕、働き方を選ぶ選択肢——すべてが変わります。
私が会社で評価に怯えず「静かな在籍」を続けられるのは、最悪の場合でも夫婦2人がアルバイトで食っていける水準まで、生存コストを下げてあるからです。生活水準を下げることは、我慢ではなく、自由の前払いなのです。
18年で実際に下げたもの
具体例を挙げます。どれも「削った」というより「解約して身軽になった」感覚に近いものです。
- まず、月9,000円のジム→総額14万円の自宅ジムへ(16か月で回収済み)
- また、外食と昼食→夕食に集約する食スタイルへ
- さらに、使っていないサブスク・過剰な保険→棚卸しして解約
- そして、35年の住宅ローン→繰り上げ返済と借り換えで16年で完済
- ほかにも、飲み会・付き合い出費→本当に行きたいものだけに厳選
共通点は、どれも満足度がほとんど下がっていないことです。むしろ自宅ジムは体が仕上がり、食事は体調が上がりました。つまり、削ったのは「支出」であって「幸福」ではありません。
逆に、絶対に下げないもの
ただし、何でも下げればいいわけではありません。私には「下げない聖域」が3つあります。
- 睡眠(8時間を死守。ここを削ると全てが崩れる)
- 体を作る食材(タンパク質と野菜はケチらない)
- 学びへの支出(書籍・情報・スキルは未来の収入源)
要するに、「体と頭」は資産なので投資し、「見栄と惰性」は費用なので削る。この線引きさえ間違えなければ、生活水準を下げることはみじめさに繋がりません。
みじめにならないための3つのコツ
コツ1: 満足度と支出の「相関」を家計簿で見る
私はリーマンショックを機に家計簿をつけ始めました。すると見えてくるのです。「この支出、あってもなくても幸福度が変わっていないな」というものが。生活水準を下げる対象は、この「満足度に効いていない支出」だけに絞ります。だから痛くありません。
コツ2: 他人と比べない環境を作る
生活水準の苦しさの正体は、たいてい比較です。SNSで他人の消費を眺める時間を減らすだけで、下げる痛みは激減します。比べる相手は他人ではなく、過去の自分の残高だけでいい。
コツ3: 下げた分の「行き先」を見える化する
下げっぱなしでは、ただの節約疲れになります。浮いたお金が積立残高として積み上がっていくグラフを見る。この「増える快感」が、「削る痛み」を上回った瞬間、生活水準を下げることは我慢から趣味に変わります。
よくある質問
Q1. 家族に反対されませんか?
一気にやれば反対されます。だから、まず自分の裁量範囲(自分の小遣い・固定費)から始めて、効果を数字で見せるのが順序です。我が家は18年かけて、夫婦で少しずつ価値観を揃えてきました。
Q2. 収入が増えたら、少しは上げてもいいのでは?
もちろん、それも1つの生き方です。ただ、私は「上げる快感」より「自由が増える快感」を選びました。どちらが正解かではなく、どちらの快感で生きるかの選択だと思います。
Q3. 何から下げ始めるのがおすすめですか?
固定費です。サブスク、保険、通信費、会費。毎月自動で出ていくものは、一度の見直しで効果が永続します。日々の節約より先に、まず固定費。これが鉄則です。
まとめ: 下げるのは生活の質ではなく、生存コスト
生活水準を下げると聞くと、灰色の耐乏生活を想像するかもしれません。しかし実際に下がるのは、満足度に効いていなかった支出と、会社への依存度だけです。そして手に入るのは、毎月の積立原資と、「いつでも身軽に生きられる」という自由です。
18年下げ続けた私の結論はこうです。生活水準は、下げるほど人生の水準が上がる。
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【追記】下げた生活水準で生まれた余力の行き先は、NISA月10万円積立の中身|45歳夫婦の実残高とルールを公開に書きました。


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